(´・ω・`)


『アンツィオ戦』スタッフ・コメンタリーにおいて、このシーンになった時、

 水島 なんか河嶋が、哀しそうに見えるんですよ、ここ。

と話していたんだが、なるほど哀しさと淋しさが綯(な)い交ぜになった、実に複雑な表情をしている。


そもそも生徒会三役が画面に出る時は、『水戸黄門』の主従よろしく中央に杏、左右に桃と柚子という形を常に取っているわけだが、(※)
(第1話) (第4話) (第5話) (第9話)

作戦会議における桃は杏の脇侍どころか、典子(キャプテン)の後塵を拝する格好だ。


「いつもの定位置に桃が着いたら、みほの顔が見えなくなるだろうが!」という声も聞こえて来るが、キャラの配置や描く角度などを工夫すれば、そんな些細な問題は、簡単に解決できたはずだ。

ちなみに出席者の配置やポーズなどは、水島によれば、某社の将校作戦会議セットを模している〔スタッフ・コメンタリー〕らしい。
(人数は違うものの、どうやら『アメリカ将校野戦会議セット』というのが、↑の絵に近いようだ)

したがって、後ろに下がっている桃は、「主人公のため仕方なく」ではなく、元ネタがそうだったから――というのでは話が終わってしまうので、やはり何かで杏に怒られたのだ。

では、その『何か』とは何か?


それを推理するカギとなるのが、第7話の一シーンだ。

  西住ちゃんのお陰だよー、ありがとね。

と、満面の笑みでお礼を言われたみほが、どぎまぎしながら会長に対する感謝の気持ちを長めに述べるわけだが、それを見つめる桃の表情を見ると、


てな感じで、その目に微妙な色が浮かんでいる。

思うに、これは嫉妬であろう。


桃といえば、初の練習試合で38(t)に乗り込む杏のため、躊躇なく踏み台になった姿が印象的だった。


本放送を見た時は、体格が人並み以下の杏が、腕の力だけでは上れないので――と思ったんだが、その後、特典OVA第6話を見たら、何と柚子の体を余裕でリフトしているではないか。


ゆえに、その気になれば桃を使わなくても戦車に上れたはずだ。

ただし、杏は38(t)の真正面から乗り込もうとしている。

『ハートフルタンクディスク』特典のメイキング動画によると、戦車に乗る際には、履帯に足をかけたり、方々にある取っ手をつかむのが、一般的な方法らしい。
たとえば戦車道のPR映画に出ていた凛々しいお姉さんたちは、きちんと左右から足場や取っ手を利用して、素早く乗り込んでいる。


そこで38(t)を見てみると、真正面からでは(特に小柄な人には)乗りにくそうだ。


したがって、↓のポジションから上を目指そうと思ったら、

まず腕の力で体を持ち上げ、次に片膝/片足を上面に掛け、それから残っている足を持って来る事になるのだろう。

しかし、それだと制服が38(t)に触れて汚れてしまうし、乙女の足に傷が付く恐れもあるし、さらには高確率でパンツがカメラに映ってしまう。

だから杏は、桃を踏み台にするという安全策を取ったのである。
そして、そんな杏のために桃は喜んで踏まれたのだ。

桃の言動を見ていると、杏は彼女にとって、単に尊敬する人というのではなく、もっと重い『恩人』みたいな感じに思えて来る。
それが命の恩人なのか何なのかは、現段階では知るべくもないが、桃の心を大げさに言うと「杏のためなら死ねる」。
(決勝戦が終わった後、エンディングまで泣きっ放しだったのは、あるいは「杏の学校を守れた」という気持ちがあったからなのか)

そんな杏が、みほをすごく大事に扱っている。
もちろん、学園存続のための最後の切り札なのだから、それも当然なんだが、長く杏に仕えている桃には、それが気に入らない。

自分にとって、杏に仕える事は至上の喜び。
だから他人も、喜んで杏に仕えるべきだ。
無論、感謝の言葉を掛けてもらう必要など一切ない。

そんな風に桃が思っているのだとしたら、新参者の分際で、杏に礼を言われたみほの存在は面白くないし、

 みほ え、いえ、お礼を言いたいのはわたしの方で……
    最初はどうなるかと思いましたけど……
    でも、わたし……
    今までとは違う戦車道を知ることが出来ました。

という、みほの言葉を聞けば「私たちの苦悩も知らずに、何をのんきな――」となるだろうから、


  それは結構だが、次も絶対に勝つぞ。
と、皮肉交じりに言ったとて、何の不思議もない。

その数日後(『アンツィオ戦』)。

  ちょっと強そうですね。

  ちょっとじゃないだろう。

てな感じで、桃の様子に特段の変化は見られない。

すなわち、この優花里ビデオ上映会から作戦会議までの間に、事件は起きたのだ。


ところで、聖グロリアーナとの練習試合が終わった後、

  これからは作戦は西住ちゃんに任せるよ。
  え!?

無論、不本意ではあったろうが、他ならぬ杏の言葉に、仕方なく桃は従った。
しかし、2回戦を前にして、みほへの嫉妬心が抑えられなくなり、
「私が素晴らしい作戦を立てれば、会長も私を見直してくれるはずだ」
と、会議が始まって早々、自信たっぷりに披露した。
ところが杏は眉をひそめて、
  作戦は西住ちゃんに任せると言っただろう?
  しかしですね――
  ああ、もういいから河嶋は口を出すな!

うん、全然つまらないな。


というわけで、作戦会議で使われているカットを並べてみると、


驚いた事に干し芋がない!
きっと桃が買い忘れて、それで杏に怒られたのだ。

ちなみに第7話の会長は、ちゃんと干し芋を食べている。

  勝てるかね〜?


というわけで、これが結論。

…もっと面白い文を書けると思ったんだけどなー。







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