◆◇◆吉田脚本/鈴木脚本◇◆◇
※本編とOVAの性格が全く違うため、単純に比較するのは無意味なんだが、とりあえず書き出しておく。
1.優花里の知識:ほぼ戦車限定/ミリタリー全般+α
吉田脚本において、優花里の知識が披露されるシーンを適当に抜粋して並べると、
最初に彼女が持っている知識を述べるシーンは、38(t)を発見した直後。(第2話)
「38(t)といえば、ロンメル将軍の第七機甲師団でも主力を務め〜」
それから、みほの家でキャンプに通じていると思わせる言動。(第2話)
「はい、いつでもどこでも野営できるように」
校内の模擬戦では、初の実戦ながら3発全中!(第3話)
(砲撃の基本を熟知している証拠)
聖グロリアーナとの練習試合で、みほに語った不安の種。(第1話、第4話)
「こちらの徹甲弾だと正面装甲は抜けません」
戦車喫茶では、主砲の音だけで車名を言い当て、(第5話)
「この音は90式(キュウマルしき)ですね」
サンダース大付属におけるスパイ活動では、シャーマンたちに感動し、(第5話)
「すごいです! シャーマンがずらり! あれはM4A1型、あっちはM4無印〜」
カバさんチームの面々にレクチャーをしたり、(第7話)
「いえ、砲兵科扱いの歩兵直協車輌ですから、支援車輌ですよ」
沼に浸かった戦車名が一目で分かったり、(第7話)
「見つかりました! ルノーB1bisです!」
自動車部が復元したポルシェティーガーの欠点を一気に並べたり、(第10話)
「まあ地面にめりこんだり、加熱して炎上したり、壊れやすいのが難点ですけど」
測遠機を持っているのみならず、きちんと使いこなしている。(第11話)
「6時の方角より、敵集団接近中。距離、フタゴーマルマル! もうすぐ砲撃が始まります!」
そのほとんどは戦車に関するものだが、日常シーンが少なかった上、優花里の役目は参謀というより忠犬だったから、他の薀蓄を語る暇がなかったのだろう。
一方、鈴木脚本では、ほぼ全てのOVAで、優花里が進行役を務めている。
世界における水着の歴史とか、(OVA1)
「ポンペイの壁画を再現した最古のツーピース。19世紀のスイムスーツ〜」
レーションに関する長談義とか、(OVA2)
「レーションとは、戦闘食とか野戦糧食とも言って、軍事行動中に食べる〜」
学園艦の歴史について滔々と語ったり、(OVA3)
「それはですね、ずっと昔に来るべき国際化社会のために広い視野を持った〜」
船内の交通ルールをどこかで聞いた事があったり、(OVA3)
「そう言えば聞いたことがあります。急ぎの時、迅速に持ち場に行けるように〜」
大洗艦のほぼ全てを把握していたり、(OVA3)
「この学園艦は全部で3万人乗ってますから。 もちろん学生だけじゃなく〜」
現代の各国軍隊トリビアも豊富だし、(OVA5)
「ああ、靴下じゃなくポルチャンキって布を巻いていたんですよね。今でも〜」
ソ連製戦車の知識などを活用して、プラウダ高の選手ニーナが抱いた不信感を払拭したり、(OVA5)
「いやー、KV(カーベー)大変でしょう」
鈴木脚本のOVAにおいて、人々の疑問に答える役は専ら優花里に任されている(OVA3では+麻子)。
したがって、その知識の広さと深さには驚くべきモノがある。
小・中・高1と友達がいなかったため、自由な時間の大部分を、読書やら何やらに費やしていたに違いない。
2.日常生活における華の役割:沙織への突っ込み/お色気(背中・お尻)
吉田脚本の『漫才』については、コチラでどうぞ。
一方、鈴木脚本の場合、水着中心のOVA1〜2およびお風呂が待ってるOVA3という事で、お色気のようなものは全員が惜しみなく振りまいているんだが、その中で華は、後ろ姿担当になっているようだ。
なお共通項としては、異常なほどの食事量=いわゆる『華盛り』と天然が挙げられる。
この内、華盛りに関しては、特に違いは見られない。
第1話:最初のランチ
第1話:2度目のランチ
第1話:放課後のアイス
(スイーツなら麻子の方が上か?)
第2話:初めてのごはん会
(12時から時計回りに みほ・優花里・沙織・華)
第7話:1回戦後のランチ
第10話:決勝前夜のごはん会
OVA第2話:キャンプの晩ごはん
OVA第3話:観光ツアー前のランチ
ただし吉田脚本における華の天然が、TVドラマなどを真に受けた事によるものと思われるのに対し、
◎元ネタ=いわゆる2時間ドラマ?
華 じゃあご家族に不幸が? 骨肉の争いですとか遺産相続とか。(第1話)
◎元ネタ=昭和の学園ドラマ?
華 タイマン張ったり暴走したりカツアゲしたり。(第1話)
鈴木脚本の天然の由来は不明である。
(OVA2)
3.華と優花里:何となくウマが合う/特に描かれてない
2人が砲手と装填手の関係にあるため、特に吉田脚本では意識して描いたのかもしれない。
(第2話)
優花里 というか、男子ってほんとに肉じゃが好きなんですかね?
華 都市伝説じゃないんですか?」
(第7話)
※アンツィオ高に勝った直後
(第10話)
優花里 婚約したんですか?
華 彼氏もいないのに?」
(OVA6)
※隠し芸大会で第2位を取った時
一方、鈴木脚本には戦闘シーンがないから、2人の仲を見せる必要がなかったのだろう。
4.沙織と優花里の『何コイツ?』:途中まで互いに/ほとんどナシ
吉田脚本では、沙織と優花里が互いの言動に、引いたり不満の表情を露にしたりするシーンが見られる。
(第2話)
優花里 では! パンツァー・フォー!
沙織 パンツのアホー!?
(第2話)
桃 明日はいよいよ教官がお見えになる。
沙織 どんな人かなぁ〜。
(第2話)
沙織 何で飯ごう……? いつも持ち歩いてんの?
(第2話)
沙織 ねえ、真っ先に生徒会つぶさない?
沙織 わたしが決めていいんでしょ? 車長なんだから。
沙織 じゃあ生徒会チームのいる方へ前進!
沙織 で、どっち?
沙織 私たちも色塗り替えればよかったじゃーん。
(第3話)
優花里 ああっ! 38(t)が! III突が! M3が!89式が何か別のものに〜!!
もっとも、日数を経て互いの趣味を認めたのか互いに免疫が出来たのか、4話ぐらいからは、そういう表情も滅多に見られなくなった。
戦車喫茶での恋愛バカっぷり(第5話)に対して、すでに優花里の顔は全く変化なしである。
(第5話)
沙織 …それより、全国大会ってテレビ中継されるんでしょ?
沙織 ファンレターとか来ちゃったらどうしよ〜♪
一方、鈴木脚本のOVA『これが本当のアンツィオ戦です!』では、試合後の大宴会において、
「やれやれ…」とか「まったく…」といった表情をしているだけ。
むしろOVA1〜3では、最初に水着の趣味で意気投合した事もあってか、ギクシャクしたところは全くない。
というか特典OVAのストーリーでは、2人の関係を描写する必要がないので、それも当然の事なのだ。
というわけで、冒頭にも書いたが、無意味な駄文でございました。m(_ _)m