雑多を適当にダベる
1.優花里が戦車オタクになったのは誰の影響か?
優花里と言えば戦車関連のコレクションが有名だ。
優花里の両親が営んでいる床屋さんは、ちょいと痛んだ外装(特にテント)が印象的なもんで、
小林 優花里の家を5話で見たんですけど、砲弾とか無線機とか置かれてて、女子高生のお小遣いでは買えないだろうって思いましたね。
杉本 でも実は、この世界ではけっこう安いんじゃないですか?
小林 あー、そっか。にしてもね、あの潰れかけの床屋でね、お小遣い月3000円くらいで〜。
制作 潰れかけって……勝手に設定作らないでください(苦笑)。〔お疲れ本1〕
(小林=小林敦[演出]、杉本=杉本功[キャラクターデザイン&総作画監督]、制作=真庭健蔵[制作デスク])
という妄想が、あっちこっちで飛び交っている。
確かにBD特典のサウンド・ドラマ(SD)第5話を聞くと、宝くじで1万円を当てた優花里の父・淳五郎が、一晩中ずっと浮かれていたと優花里が嘆いており、続く第6話では、当たった1万円で淳五郎が宝くじを買ったため、さらに彼女の嘆息が深くなっている。
その様子は、思いっきり現実世界の庶民を彷彿とさせるものではあるが、それだけで秋山家の懐具合を察する事は不可能だ。
また、ガルパン世界におけるコレクション・アイテムの価値に関しては、OVA第6話に、
優花里 10万円あればティーガーの履帯が1枚買えます!
という具体的な数字は出て来るものの、ガルパン世界は現実と違う部分が多々あるため(マウスの生産台数や各戦車の残存数など)、実際の相場と単純に比較できないから、何の参考にもならない。
さらにSD第7話では、戦車グッズを買いすぎて金欠になった優花里を描いているが、こちらは具体的な金額が全く出て来ない。
(ちなみに『今度はドラマCDです!』所収の「クイズ大会です!」を聞く限り、現実世界とガルパン世界の物価に、それほど大きな差はないと思われる)
とにかく、はっきりしているのは『優花里=戦車オタク』という事実。
では、誰の影響で パンツァー⇔人生 になってしまったのだろうか。
現実世界で考えれば、いわゆるミリオタの比率が圧倒的に ♂>♀ という事実から、父・淳五郎とするのが自然である。
また、全国大会におけるカメラマンぶりは、幼少時の写真も彼が撮影したのではないかと思わせるに十分だから、戦車好きな父が娘を連れてイベントに行ったのかとも思われる。
しかしガルパンの世界では、戦車道が女子の嗜(たしな)みとなっている事から、他の兵器はともかく、戦車マニアの男女比率は、現実と大きく異なっているはずだ。
また、↑の写真だけでは、撮影者を特定する事は出来ない。
その無邪気な笑顔から、両親の内のどちらかではあろうが、それすら単なる憶測だ。
そこで強引に解決する。
優花里ほどのマニアが作られるためには、彼女と同等かそれ以上の、言わば真のマニアの存在が不可欠だ。
ところでSD第9話は、これまで優花里が買い揃えたコレクションが大ピンチという話である。
すなわち、明日のテストで数学の点数が悪かったら、全て処分すると言い渡されてしまったのだ。
誰に?
父・淳五郎に。
という事は、淳五郎は真のマニアではない。
真のマニアが、そんな恐ろしい事を口にするはずがない。
そのコレクションの持ち主が可愛い娘なら、なおの事だ。
そして、優花里に影響を与え得る人間は、秋山家には2人しか存在しない。
つまり優花里を戦車好きにしたのは、
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好 レ' 7N゙、 ゙i _|` 淳
子 /N゙ゞ .! ヽ 五
だ 7ゞミミ、 ノ,彡イハヾ、 i Z 郎
っ Zー-r-==、'リノ_ノ_,.ヾミ,.ィ,ニi ヽ で
た / {i `゙';l={゙´石ゞ}='´゙'r_/ 〈 は
ん |: `iー'/ ヾ、__,.ノ /i´ / な
だ i、 ! ゙ニ-=、 u / ,ト, ∠_ く
よ |` ヽ、i'、_丿 /// ヽ /_
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u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y /
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u /
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ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i
(その他、秋山家の小ネタについてはコチラでどうぞ))
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2.カエサルは八卦が得意か?
第7話の第2次戦車捜索活動における、カバさんチームの行動を見てみると、
棒を支えて念を込めているカエサル。キッと指先を見つめて指を離す。
カエサル はっ!
八卦の上に立っていた棒がコロンと倒れる。
それを見つめている優花里、暦女一同。
おりょう 東が吉と出たぜよ!
驚く一同
優花里 コレでわかるんですか!?
そして、あんこうチームによる沙織&ウサギさんチームの捜索活動中、
優花里の携帯がなる。
優花里 あ、カエサル殿だ。
元気に携帯に出る優花里。
優花里 はい!
カエサル 西を探せ、グデーリアン!
優花里 西部戦線ですね。了解です!
ゆえに、一般にも八卦使いはカエサルと考えられており、これまで出版された書籍を見ても、
また八卦を使った占いが得意。
的中率も高く、戦車の授業中に学園艦内で遭難した1年生チームの位置を特定してみせたことも。〔コンプリートブック〕
カエサルが、これ[=八卦]を用いて戦車や遭難者の位置を占い、見事に的中させている。〔エンサイクロペディア〕
だから、それは公式設定なのか? と思って調べてみたら、
カエサル
歴史好きな「暦女」チームを率いるリーダー。
ローマ史に詳しく、いつも関連書を読んでいる。
首に巻いたマフラーもカエサルのマントをイメージしている。
座右の銘は Veni, vidi, vici(来た、見た、勝った)〔第3巻『鑑賞の手引き』〕
(ガルパン公式サイトのキャラクター紹介は、この文章の前半部分)
カエサル(CAESAR)
歴史をこよなく愛する歴女チームを率いるリーダーで、ローマ史に通じている。ソウルネームは古代ローマの名将であるガイウス・ユリウス・カエサルに由来。戦車搭乗時は装填手を担当。高校2年生。
出身:茨城県つくば市
身長:165cm
現住所:茨城県大洗町 大洗女子学園女子寮
年齢:16歳
血液型:A型
家族構成:父、母
趣味:歴史書を読む
好きな戦車:ダ・ヴィンチ円形戦車、アリエテ
好きな教科:世界史
好きな食べ物:田舎蕎麦
好きな花:デイジー
好きな色:赤
好きなお菓子:パンナコッタ
好きな飲み物:エスプレッソ
座右の銘:Veni,vidi,vici(来た、見た、勝った)
日課でしていること:ローマ関係の本を読むこと〔選手名鑑〕
という事で、八卦に関する記述は見つからなかった。
そりゃそうでしょう。
八卦が得意なのは、おりょうなのだから。
まず、〔選手名鑑〕のプロフィールを見ると、カエサルの中の日本は、出身地(つくば市)と好物(田舎蕎麦)ぐらいで、後は全て西洋だ。
服装などを見ても、東洋っぽい物は全くと言っていいほど認められない。
そんな彼女の特技が『八卦』というのは、唐突に過ぎるだろう。
次に、戦車捜索のシーンを見ると、おりょうの「東が吉と出たぜよ!」を聞いて、他メンバーが驚いている。
そう、カエサルも明らかに驚いているのだが、おりょうの顔は冷静そのものだ。
もしカエサルが八卦を知っていたなら、その結果は一目瞭然のはずなので、ここで驚く必要がない。
(「もう東は捜索し尽くしたのに!」という驚きなら、「お〜!」ではなく「えー!?」という声を上げるだろう)
ゆえに、カエサルは八卦が得意とは言えない。
それでは、なぜカエサルが占いに使う棒に手をかけていたのか。
おそらく集中力に秀でているとか、暗示にかかりやすいといった理由なのだろう。
巫祝だとか霊媒だとか、そういう体質の人間なのかもしれない。
つまりカエサルは、おりょうの指図に従って行動しているだけなのだ。
また、ウサギさん遭難救助の際、カエサルが優花里に助言のTELを入れた理由については、彼女がカバさんチームのリーダーだから、の一点に尽きる。
ちなみに、おりょうに関する公式設定は、
おりょう
大洗女子学園2年生
III号 突撃砲F型
操縦手
幕末史に関しては圧倒的な知識量。
坂本龍馬を尊敬しており、龍馬の言葉「人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある」を座右の銘にしている。
羽織に入っている「組み合い角に桔梗紋」は坂本龍馬の家紋。〔第3巻『鑑賞の手引き』〕
おりょう(ORYO)
幕末史の知識に関しては他の追随を許さない、歴女チームのひとり。坂本龍馬を尊敬しており、語尾に土佐弁の「ぜよ」をつける。ソウルネームは龍馬の妻のお龍から。戦車搭乗時は操縦手を担当。高校2年生。
出身:茨城県つくば市
身長:149cm
現住所:茨城県大洗町 大洗女子学園女子寮
年齢:16歳
血液型:A型
家族構成:父、母
趣味:歴史書を読む
好きな戦車:ティーガーI
好きな教科:日本史
好きな食べ物:軍鶏
好きな花:ヤマモモ
好きな色:深緑
好きなお菓子:羊羹
好きな飲み物:土佐茶
座右の銘:伊達と酔狂
日課でしていること:幕末関係の本を読むこと〔選手名鑑〕
というわけで、やっぱり八卦の事は記されていなかったんでした。
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3.優花里は何処へ行った?
OVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』(『アンツィオ戦』)で、一番の謎と(一部で)されているのが優花里の失踪だ。
エンディング直前に映される絵には、大洗女子とアンツィオの面々が描かれているのだが、そこに描かれていない主要人物が2人いる。
(ペパロニも発見できていないんだが、それっぽい子が何人もいるため、確定できていないだけとしておく)
その1人はカルパッチョだが、
1.彼女は直前までカエサルと会話を楽しんでいた。
2.↑の絵の中でカエサルは、上方からチームメイトと一緒に駆けつけたところである。
3.カエサルと別れた後の様子を見る限り、カルパッチョが急に駆け出すとは考えにくい。
ゆえにカルパッチョは、この絵の範囲外にいるのだろう。
そしてもう1人が、噂になっている秋山優花里。
大洗女子の選手は、みんなパンツァージャケットを身に着けているし、アヒルさん以外は白いスカートをはいているから、簡単に見分けがつく。
そこで、絵に名前を付けて整理してみると、↓のようになる。
なるほど、優花里の姿は見えない。
カルパッチョの場合と違い、彼女の行動で分かっているのは、食事に感激し過ぎて(?)周囲を思い切り引かせているシーンだけ。
その隣には沙織が描かれているのだが、宴会中のシーンにおけるメンバーの配置は、問題の絵におけるメンバーのそれと明らかに違うから、全く参考にはならない。
そこで、強引に解決する。
というわけで、優花里はテーブルの下に潜っているのだ。
その理由は不明である。
実際は↓こういう事で、優花里とは関係ないんだろうけどね。
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4.生徒会室の扁額の謎を解く
まず、こちらをご覧いただこう。
どこかで見たような言葉が書かれた扁額である。
ガルパン・ファンの間では、一般に『三十六計逃げるに如かず』と読まれており、〔エンサイクロペディア〕にも、
三十六計逃如(さんじゅうろっけいにげるにしかず)
【一般】
生徒会室の壁にある額縁に書かれている言葉。中国の故事に基づいたもので、下手に策を巡らすより逃げたほうがいいといった意味。杏が生徒会長になってから掛けられたものとは限らないが、杏らしい考え方ではある。
しかし、「如かず」と打消の助動詞が付いているからには、どこかに『不』がなければならないはずだ。
そこで調べてみると、『三十六計不如逃』というのが正しい表記らしい。
となると、3つの可能性が出て来る。
1.『三十六計不如逃』を書き間違えた
2.あえて『三十六計如逃』=三十六計逃げるに如(し)く――「逃げるよりは可能な限りの手を尽くせ」と書きたかったのだが、文字の順番を間違えた
3.『三十六計逃如』と書くつもりで、その通り書いた
これが、たとえば書道を趣味とする人が、うろ覚えで自室用に自分で書いたというのであれば、書き間違えに気づかないまま飾ってしまう事もあるだろう。
が、ここは他でもない生徒会室である。
そこに初歩的な間違い(※)を墨痕淋漓と認(したた)めた扁額を掲げては、大洗女子学園のメンツに関わる。
また、「自らの過ちをあえて訂正しないでおく事により云々」という自己満足は、ここでは通用しないだろう。
(※)打消の『不』ならびに漢文の原則「オニト来たら返れ」は、私は中学で学んだのだが、今は高校で学習するのが普通なのかな?
となると、残る可能性は1つだけ。
なのだが、『三十六計逃如』をどうやって読むかが問題だ。
単純に読めば『三十六計は逃げるが如し』なんだが、それだと『どうあがいても逃亡』になるから、それを生徒会室に掲げるのは、いくら何でもマズかろう。
そこで強引に解決する。
手持ちの『三省堂 明解漢和辞典』(昭和55年発行)によれば、いくつかある意味の内、仏教用語として、
『如』=時間や空間を超越した万有いっさいの本体
とある。
それを踏まえた上で読むと 【三十六計と逃げるは『如』なり】 すなわち、「全ての方策と逃亡は、この世の全て」ほどの意味になる。
早い話が「何をやってもエブリシングOK!」。
うん、実にフリーダムな学校だ。
ちなみに〔選手名鑑〕によると、会長の座右の銘は(黄門様へのオマージュなのか)『天網恢々疎にして漏らさず』。
あと、上に書いた通り〔エンサイクロペディア〕では『三十六計逃げるに如かず』を杏らしい考え方としているのだが、廃校の危機から逃げなかった一点だけを取り上げてみても、このコメントは正しくないと思う。
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5.分度器作戦
『アンツィオ戦』で、試合の流れを決定付けた「分度器作戦」は、公式によれば、
一旦全車輌を引かせ、部隊を集結させた上で、主力が防御に有利な峠に立て籠り、左右からCV33の機動力でかく乱、また可能なら峠の上から奇襲攻撃を行い、更には迂回したセモヴェンテで後方攻撃と同時に、前方からはP40で攻撃を行う「分度器作戦」を発動した。〔OVA『鑑賞の手引き』〕
したがって、『分度器作戦』なる名称は、その作戦の前半すなわち部隊を結集させる時のイメージから、付けられたのだ。
↑を見た限りでは、とても分度器には見えないが、もっと車輌数が多ければ、それっぽく見えるに違いない。
と、これは私が考えた、全く後づけの理由。
脚本の鈴木は、
「分度器作戦の元ネタはコンパス作戦。イギリス軍が北アフリカで行った一大反抗作戦です」〔OVAパンフレット〕
また、イタリア全般の考証を受け持った吉川和篤は、
吉川 アンチョビが言っていた「分度器作戦」は、イタリアがイギリスに大敗し多くのCV33を失った「コンパス作戦」が元ネタですね。〔コンプリートブック増補版〕
同様の事は、『アンツィオ戦』のスタッフ・コメンタリーで水島努[監督]も言っているが、「各戦車がアンチョビの元に集結する様子が分度器の目盛りに似ている」という話は、これっぽっちも出て来てない。
ゆえに、作戦名の由来は、水島が言っているように「コンパスと文房具つながり」だけというのが、実際のところっぽいんだが、だったら『定規作戦』でも『筆箱作戦』でも良かった事になるわけで、思わず「芸がないなぁ…」なんて思ったりした。
すなわち、その前に行われた『マカロニ作戦』の場合、
まずは常套手段の欺瞞作戦である「マカロニ作戦」。
これは、マカロニは外側はしっかりしているが、中身は空洞であることから命名された。
まぁ、単純に考えた時に食べていたのかもしれないが。〔OVA『鑑賞の手引き』〕
という立派な由来がある。
だったら分度器作戦も、「イタリアがヒドい目に遭った作戦名、パロっちゃったZE☆」で満足せず、立派な理由を考えといて欲しかった。
〔戻る〕