第5話における自主練シーンについて


このシーンは、いくらでも深読み=妄想できるため、けっこう議論になっていたりする。
私のように「深いなー!」という奴もいれば、「ああ、絆が深まったね」で終わってる人もいる。

その理由は『心理描写なセリフ/独白が全くないため』。



みほ お疲れさまー。
沙織 疲れたー。甘いもの食べたーい。


みほ 何か食べて帰る?(みほから沙織を誘う=みほと他メンバーの距離が近くなっている)
沙織 うん!
 あ……(と思わせておいて、みほに何かを隠しているような華の動き)


沙織 あ…わ、私たち、ちょっと用事があるから、みぽりん先に帰っていいよ。
※沙織の声のトーンが、若干よそ行きっぽい。
 加えて、華と優花里が浮かべている、見事なまでの愛想笑い。
 そんな中、麻子だけはメッセージを含んでいるような視線をみほに向けている。
 なお、蛇足ながら 「私たち」=みほを除くAチーム全員。


みほ え…うん……(予想外な言葉を聞き、キョトンとする)


みほ ……(沈んだ顔に重い足取りの帰り道)
※この時の顔が、私には「まだ友達じゃないのかな…?」に見えて切なかった。


みほ あ、作戦ノート。(ショックのあまり、最も大事なものを忘れてしまう)


みほ ……(ちゃんと机の中に入っていたんで、一安心)
※戦車道の作戦ノートを盗む奴なんて、大洗女子にいるのか? と思ったんだが、
 もちろん「どこかに置き忘れたかも――」てな心配をしてたんだろう。


みほ あ……(沙織と華のバッグが残っている事に気づく)


みほ ……(こんな遅くまで、何をしてるんだろう?)


IV号 ……(唐突に出て来るIV号)


沙織 9秒! さっきよりちょっと速くなったかも!
優花里 やった!
 次はもっと速く動いてみせます!

※ この場面、私は彼女の鋭い直感が働いたのではなく、
  ◆放課後で大部分の生徒が帰宅
  ⇒日中よりも校内が静かになる
  ⇒エンジン音が教室まで聞こえて来た

 と思ったんだが、そこら辺の解釈も人それぞれだ。


みほ みんな……
※静止画では判らないが、みほの目が少しウルウルしている。


沙織優花里 あ…!(「見つかっちゃった!」な顔の3人+いつもの顔の麻子)
※こっそり練習して上達して、みほを驚かせようと思ったのか。
 だとしたら、言いだしっぺは間違いなく沙織だ。


みほ まだ練習してたんだ。


沙織 私たち、みぽりんの足を引っ張らないようにしなきゃと思って。
 お姉さんたちを見返してやりましょうね!

※沙織といい華といい、ここまで気遣いの出来る子たちなのに、
 それぞれ恋愛バカと天然嬢だもんで、友人が限られているようだ。
 みほは転校したての内気娘だし、優花里は戦車オタクだし、
 というわけで、友人を最も多く持っているのは、
 ちょいと理屈っぽいものの、性格は悪くない麻子かも知れない。
 たとえば↓この笑顔を見ると、中学時代の同級生(OVA第3話)は、
 親友レベルにあると見ていいと思う。
    


みほ ……
※個人的に、このシーン締めくくりの表情にグッと来たりする。
 第1回ごはん会(第1話)の直後や、第7話で、みんなから助け船を出された時などとは、明らかに違う表情だ。
     

それは「やっぱり友達でいいんだ」という安堵


以上、適当な注釈をつけてみたが、ここに限らずガルパンでは、全体的に状況説明を主とするセリフが、ほとんどない。
だから妄想も捗(はかど)るんで、私みたいにハマる奴はハマる。

一言で表現すれば、ガルパンは『行間を楽しむアニメ』なのだ。



inserted by FC2 system